sakaharaのブログ

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アジャイル開発をより良く知るために「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」を読んでみた

アジャイル開発の手法の一つであるスクラムについて知るために読んでみました。

本の内容はマンガ付きでとても分かりやすくスクラムについて説明してあり、2時間程度でさっと読める内容でした。 短時間で読めるからといって内容がないわけでは無く、実際にプロジェクトで起きそうな問題をスクラムマスターの主人公とプロダクトオーナー、開発チームが解決していくストーリーは実用的でありスクラムのメリットを十分に知ることができるものでした。

個人的な感想としてはやはりスクラムは予算や納期の決まった受託開発より、ウェブサービススマートフォンアプリ開発に向いているなぁという印象です。 逆にいえばウェブサービスアプリ開発をウォータフォールでやってしまうとうまくいかないだろうなと改めて思いました。

例えばベロシティはスプリント毎に終わらせられるポイント数であり、ある程度プロジェクトを進めることによって見えてくる数値なので、予算・納期を前もって決めないといけない場合、ベロシティが分からないためかなり見積もりがつらくなってしまいます。 受託開発で採用する場合、納品のない受託開発がベストなのかなぁーと思います。(このフレーズ最近よく聞きます)

本書を読んだ中で特に印象に残ったフレーズとして、「そのロールで求められていることに一生懸命とりくんでくれるかどうかだ」という箇所があります。 これってかなり根本的な話で、スクラムやそれ以外の手法関係なくちゃんと熱意をもってとりくまないと何やってもうまくいかないし、ちゃんと取り組んでくれる人達が集まればそれなりにうまく回るととも言えます。 ただスクラムの場合、どんな人が集まってもどこかのポジションには当てはまる人がいるはずで、プロジェクトを動かしながら手探りで進められる部分もあるので他の手法より成功率は高くなるかもと思いました。

それからもう一つ「Scrumでは、開発チームは自己組織化されていて、機能横断的であることが求められている」も印象に残っています。 これができるメンバーが揃っていればスクラムだろうと何だろうとうまく回るの当たり前だろうなーと思いましたw ただスクラムの手法をちゃんと取り入れることができれば自己組織化していくことも可能なので結局やり方しだいですかね。

あと個人的に痛かったのは「それぐらいはできるよね!?」というところで実際の作業に関係ない人の意見は参考意見程度にしておかないといけないというところです。 実際に作業をする人やチームの意見でないと現場のさまざまな情報をもとにきちんとした判断はできないので、作業に関係無い人に何を言われようと自分やチームのメンバーがちゃんと約束をして取り組んでいくことで責任感もうまれ、それがよい結果につながると改めて認識しました。 周りに振り回されないようにしたいものです。

最後に言えることは、どんな手法を取り入れようとチームメンバーに対する信頼が無い場合や、失敗の責任を個人に押し付けるような組織では何やってもうまくいきません。 特にスクラムは自己組織化されていることが前提であるならばそれはかなり重要な要素です。 そういった信頼関係を築きつつスクラムを試してみるのが一番よいのかなと思いました。

この本はプロジェクトで困った時などにヒントになることがたくさんあるので、そういった時などに見返してみるとまた得るものがあって更によいのでオススメです。